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[ shimka 投資の基本方針 - 2010年 ] 「長期投資 (1年から10年) の観点から」



2009年のテーマは米国債券市場の行方でしたが、誰もが注目している時は何も起こらないもので、注目されてはいるものの、忘れていたような時に、ドバイ・ショックのような事件が起きました。 ドバイのこれまでの姿を見てきた人たちにとっては、起こるべくして起きた一種のバブル崩壊事件でしょうが、私にはこれが日本のバブル崩壊と重なって見えて仕方がありません。 外国人の方々には奇異に感じられるかもしれませんが、日本人として見ると、いわゆる1980年代以前の日本の急成長とそれに伴うバブル崩壊と重なって見えます。 日本はそれまで持っていなかったものを欧米から急速に取込んでいましたが、それを国としての急成長が支えていたからです。 でも、やはりバブルとなりました。 そして、日本は未だにこのバブルの後始末が付けられないまま現在に至っています。

日本の急成長にはもう一つの側面がありました。 私たち世代 (団塊の世代) がもたらす世の中への影響度の大きさです。 つまり、私たち世代の人口があまりにも大きいために、その年齢の移行に伴って世の中に大きな変化と影響を及ぼしてしまうのです。 分り易い例として、私たち世代が大学に入る頃、大学の数が足りなくなりました。 その結果、全国で多くの大学が新設されましたが、現在は人口が減り不要となった大学もある様です。 そして私たちが働き盛りの頃、いわゆる不動産バブルを引起しました。 こうした社会現象は私たち世代の人口の多さがもたらす弊害でもありました。 日本の急成長を促し、後押しをした一方で、その行き過ぎがバブル崩壊に繋がってしまった訳ですが、これを一時的な要因として政治が捉えなかったことが未だに日本が「失われた10年」として結末を付けられずにいる原因であると私は思っております。

今、我々の世代は年金を受け取る世代となってきております。 多くの人口を抱える世代がリタイアし、年金を受け取る世代となり、残された世代はそれよりも人口の少ない世代ばかりですので、これがまた大きな社会問題を引起す筈です。 上に書いたように、日本は1990年代にバブル崩壊を経験し、未だにその影を引きずっておりますが、私たち世代の人口の多さがその遠因であり、主因であることに政治が気付かない限り、「失われた10年」は「失われた20年」になると思いますし、更に続く可能性もあります。 理由は、日本がバブル崩壊した後、中国の発展が始まっていることです。 今までブログに何度も書いてきましたが、中国の発展により日本はデフレに追い込まれることになります。 つまり、バブル崩壊による不況のために物価は下落傾向となっていますが、更に中国の発展により日本企業は競争力を失い、価格競争により更に物価の下落傾向に追い討ちがかかることになるからです。

ここに日本の社会問題を解くカギがあるのですが、政治は決して焦点を当てようとはしません。 いろいろな利害関係があるからですが、社会の歪の遠因であることに政治や国民が気付くのは更に何年も先のことでしょうか。 例えば、日本が国債を大量発行し、2010年度予算の大半が国債に依存しているというのは馬鹿げていますが、バブル崩壊以降、毎年国債に依存した予算を組み、日本の景気を支えていると政治家は考えているようです。 しかし、バブルが我々の世代の多大人口による一時的要因であると捉えるならば、80年代の経済規模そのものもやはりバブルであって、そのサイズを維持し続けようとすることは良策とは言えません。 更に近い将来の経済回復を期待し、それまでの期間を国債発行で凌ごうとする政策は愚策とさえ言えます。 我々の世代がもたらす社会現象を一時的なものと考え、長期間で捉えた世代人口に見合った経済規模を国として維持し、発展させて行くべきだと考えるのであれば、現在の経済規模はやはり大き過ぎるのではないかというのが私の見方です。 つまり日本の経済規模の把握が適切でないがために国債を発行せざるを得ないこととなってしまった。 ところが、国全体として見ると自然と縮小均衡の過程に入って来てしまっており、中国の発展により、この縮小均衡への流れはもはや変えられないものとなってしまったということです。

以下のグラフでお分かりのように、1990年以降にGDPの急成長が止まった後、国債の発行額は何と現在までに4倍の規模に達しています。 これだけの量の国債が順調に消化できるのかどうかという問題も生じてくる訳ですが、それについてはここでは取り上げません。 しかしながら、消化しきれない場合のことを考えると恐ろしくなります。 つまり、買い手が少なくなった、或いは、いなくなった場合には、通常のこととして暴落が待っている訳ですから。

日本の実質GDP成長率
(資料; 『ウィキペディア(Wikipedia)』 日本の経済)

日本の国債発行推移
(資料; 『ウィキペディア(Wikipedia)』 日本国債)

以上のような視点も合わせて2010年という年を考えたとき、私は次のようなものではないかと考えています。 2008年暮れのリーマン・ショックから1年以上が経過し、その後の各国の景気刺激策の結果、とりあえず大不況は免れたようです。 先進国については、思い切った利下げ策を講じている関係上、これを脱する政策をいずれ取らざるを得ないこと。 すなわち景気回復はそれ程簡単なものではないということ。 新興国はリーマン・ショック前の状態に戻ることはそれ程難しいものではないように見えること。 資源国については、新興国の発展・需要に支えられ、先進国よりは景気回復がやり易い状況にあるだろうということ。 更に新興国や資源国の物価・給与水準が先進国よりは低いことや、アジアの新興国が世界の工場として機能し始めていること、景気刺激策による過剰流動性問題などを考え合わせると、G7先進国 (カナダを除く) ではややデフレ要因の方が強いのではないか。 新興国についてはインフレ傾向が出始める可能性が考えられ、カナダを含む資源国ではインフレ要因の方がデフレ要因よりも強いのではないか。 そして、日本は上に述べたように、デフレから抜け出す根本的な政策を取らない限り、デフレ傾向が続くと考えています。

従って、投資の方針としては、新興国と資源国の株式市場や通貨が安全で効率が良いと考えられます。 更に新興国の需要の堅調さを確認できれば、原油や穀物、鉱物資源などの商品市場は引き続き期待できると思います。 特に中国やインドの発展による食物需要は大きな問題となってくると考えています。 環境問題はこうした新興国需要と一緒に考えるべきもので、それ単独で議論し、会議を行っても真の問題解決には到らないであろうというのが私の考え方です。 金価格の高騰については、世界の経済不安の裏返しであり、米ドルの安定性の行方と一緒に考えれば自然と答えは出てくるでしょう。

[2010年1月1日]

投資の基本方針 - 2009年

投資の基本方針 - 2008年





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